バービー人形を燃やす

新しい高校の制服に身をまとったアリスと花がビシッとポーズ決めるシーンが、中学の制服でもやられててよかった

花とアリス殺人事件で、我らが岩井俊二が長編アニメーションにトライしててこんな出来ならジブリも細谷守も怖くないぜ、と思いました
岩井俊二はこれをはじめはジブリの鈴木Pのとこに持ってったらしいけどその話は没になったようで、ほんとにこれジブリじゃなくてよかったね
アリスがアニメでもちゃんと蒼井優だった、それはジブリのやり方じゃ敵わなかったと思うもん

花とアリスの実写観たのは13歳のころでそのときは全然ピンときてなかったけど今になって観るとほんとうに良い映画
ジブリ映画に出てくる主要キャラクターがだいたいみんな信じられないくらい嫌いだってことに気づいたんだけど、それに比べて花とアリスのキャラクターみんな大好き

アリスの一挙手一投足に夢中、父親とお昼ごはん食べながら「走るの速くてもなんにもなんない」って言ってるシーンが好き
実写版でアリスがデートに「おにぎりサンドイッチ」を作ってって男の子に「これ味噌汁と牛乳どっちも欲しくなるね」って言わせるのも無敵のやり口だよね
あまちゃんの潮騒のメモリーズもわたしのなかで大きい存在なんだけどあの二人はいつかお互いに興味が持てなくなる未来が見えるのに対して、アリスと花はずっと親友なんだろうなって思う

わたしはもう大人だから青春時代の奴隷みたいな、青春のキラキラした思い出が創作のモチベーションみたいなの正直しんどいんだけど、岩井俊二はそういう感じがなくて、しかしながらキャラクターみんなにちょうどいい温度の血が通ってていい
ジブリのキャラクターにはあんまりそういう魅力は感じない
岩井俊二がいろいろ見てきて感じて、到達したのがこの映画っていうのがうれしくて仕方ない日だった