誰とでもおどれない

中学生のとき椎名林檎がすきで、大学生になった今は周りに林檎ファンがいすぎて引け目を感じ椎名林檎についての発言権を極力持たないということに執心して過ごしてる

椎名林檎の全盛期、勝訴ストリップや絶頂集の頃、映像でみれるなら下克上や座禅や御起立ジャポンで、あの椎名林檎はずっとピリピリしてて殺気めいたものすら感じますね
子を授かって結婚即離婚をしたのもその頃で「子供ができれば仕事を辞められると思った」みたいなことも言ってた気がするし、あの頃の椎名林檎はほんとうに仕事が嫌で仕方がなかったのであった


最近、風とロックのラジオで箭内さんと椎名林檎が仕事について話し合ってるのを聞きました
きっかけは椎名林檎が首都高を走っているときにふと「アルファードに乗ってるひとはどういう気持ちなんだろう」と考えたことからはじまり、椎名林檎は「こだわりを持つって弱さじゃないですか、こだわってしまうから自分は弱いと思う」と嘆いていた
オリンピックとか、ワールドカップとか、そういうイベントごとがあったときにスポーツに詳しくない「にわか」だからいまいち一緒に盛り上がれない、「にわか」も「にわか」なりに参加できるのにそれができない
バレンタインデーも自分の気持ちを変に期待させたくないからすぐ学校帰っちゃう、というような話をしていた

わたしもそういう性質を大いに帯びているけどなんとなく「それを弱さ」と捉えて変えていこうみたいなタフさは無いし、むしろ自分のそういう「こだわり」の部分は核にくる部分のように感じてたし、「にわか」なのにお祭りに参加できてしまうひとたちのことを低俗に思えてた
「こだわりは弱さ」と心得るようなタフさ、プロ精神、完璧主義、そういうのがわたしと椎名林檎という圧倒的存在とを引き離すものの根幹のように思いました

箭内さんが椎名林檎に言ったのは「俺はこだわりの無い人間だけど、そんな俺が椎名林檎が好き。『俺の好きなひと、こだわってるひとだから』みたいにして自分を保ってる。椎名林檎はその『保ち』に付き合わされてる。思う存分こだわってほしい」のようなこと、他人のことだけどうれしかった

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